困ったひと

コエーリョの『ポルトベーロの魔女』という小説があります

政治家の娘が主人公なのですが、彼女はコネによって銀行員として就職したものの、非常に自信家で、言動がおかしいところがあり、支部長は「採用せざるを得なかったが、そのうちわざと難しい仕事を任せて、自主退職させればいい」と考えていたようです。それが彼の、コネで採用された新人への、いつもの対応なのです





わたしは、この些細ないじめのくだりを「必要かな?」とおもいました
しかしはじめて読んでから時間が経ったいまになってみると、それは主人公を信頼しての対処であって、いじめではないのかもしれない、ともおもえてきます

その後、彼女は失敗する気配がなく、なかなか退職させられなかったようです。不思議と彼女の周囲は成功であふれ、業績がほかの支部よりも伸び、支部長はかえってたいへん感心するようになりました


つまり、難しい仕事というチャンスを与えることそのものは、べつにわるくないのです。そうやって善意を尽くしてもそのひとが辞めてしまうのなら、それまでの器量だったといえるのかもしれません



わたしたちはつい、嫌いなひとを避けるとともに、仕事ではそのひとを重用せず、どうにか世間から隠そうとします


口のでかい大人は役員に推薦すればいい
子どもの素行が悪いならかえって劇団や芸能プロに入れてあげたほうがいい

そんな発想もアリですね