優等生

「堀さんと宮村くん」で有名なHERO先生の短編に「レッテルのある教室」があります





高校の学級委員長であるヒロインは、いつしか、ひとの背中に付箋のような紙が貼り付いているのが、見えるようになっていました。それは彼女にしか見えない紙なのですが、じぶんの背中には「頼りになる」「いつも優しい」など誉め言葉ばかりが貼ってあったので、満足していました


しかし、熱を出して学校を休んだ日、それまでいろいろな仕事をひとりで引き受けすぎたせいで、スケジュールが狂い、クラスに迷惑がかかってしまうことになります
みんな「あれ? いなかったの?」と無関心で、ヒロインがやっていたとおもっていた仕事がすべて未完であることをしると、不平不満が噴出しました


その日から、背中のレッテルは一転し、「使えない」「出しゃばり」「生理的に無理」などの悪口で埋め尽くされるようになるのです
ヒロインは、じぶんは本当は人気者ではなかったと、思いしるのでした







この漫画が印象的だったのは、おなじような経験がわたしにもあったからです
ヒロインのようによくリーダーを任され、あらゆる仕事を率先していましたが、一度うっかり書類をトイレに置き忘れてしまっただけで、一転して不良であるかように嫌悪されました
それまでわたしに対し、いつも難しい哲学的、思想的な話題を振って尊敬してくれていた先生は、突然「ちゃんとやって。できるでしょう」と、小学生に対するような口調となって、わたしの肩をゆすったのを覚えています。ただ「これ、トイレにありましたよ」と一言いえばそれでいいだろうに、わたしはなにが起きたかわかりませんでした


責め立てられながらわたしは、そもそもわたしを民主的な互選なくリーダーに指名したのは、その先生本人だったということを思い出し、すべて悟りました。じぶんは、本当は尊敬されていたから仕事を任されていたわけではなく、ただ成績が良いから、先生の見栄のために都合がよかっただけだったのです

























「世間は厳しい」というのは、「がんばらないひとに厳しい」ということではないな、とおもいます。「がんばることにしがみついて、保身ばかり考えていると、だれからも嫌われる」ということでもありそうですね