少女漫画

2012年、萩尾望都先生が紫綬褒章を叙勲され、2019年には文化功労者として顕彰されました。これが少女漫画家としては初のケースだったということで、意外ですね

少女漫画はいつも、新しい変形コマやトーンの使い方を生み出して漫画界をけん引し、演劇や映画、ドラマになれば世界的にヒットしているというイメージがあります
それなのに、高齢になった男性の漫画家がつぎつぎ勲章を受けているなか、女性の漫画家はなかなか名誉を受けませんね

















それは萩尾先生とおなじ世代である、池田理代子先生と山岸涼子先生が叙勲されていないことを考えると、すこしわかるような気がします


まず、山岸先生は国の偉人である聖徳太子というタブーに触れてしまいました。その超能力の恐ろしさを描きたかったということで、周囲の皇族はみずからの運命と彼の策略の果てに、ことばにも尽くせない陰惨な人生へ落ちてゆきます

そして池田先生は功績のたいへんおおきい人物ですが、政治家との不倫で有名です。また山岸先生の漫画を大胆に盗作して「史実」であると発言するなど、不祥事が目立ちます



つまり少女漫画家のような「女性」や、「恋愛」を描いた物語というものは、戦時中に発禁となった平安時代の随筆のようなもので、危険視されがちなのではないか、というのがわたしの感想です
そうおもってみると、男性漫画家の作品には、皇族のスキャンダルを題材にした優雅なものは、見当たらないなと気づくのです






逆にいえば、叙勲されない世界にしかできない表現がある、ということもできますから、わたしはあまり男性漫画家しか叙勲されないことについて、憂慮するものではありません