小説の表紙

購入側のひとが上手にオーダーメイドするには、そのクリエイターの好きそうなモチーフをぶつけて、傑作を納品させるのが鉄則です

機嫌を取れということではなく、むしろわがままに、自身のすきなクリエイターをえらび、さらにすきなモチーフをコラボさせるということです。そのひとの作風が気に入ったのなら、互いの好みが合致するのは自然なので、だれでもクリエイターの才能を活かすための注文の仕方を、はじめから心得ているものだともいえます

ある程度、そのひとの作品なら多分なんでも気に入るだろう、という前提があって、満足に繋がりやすくなっているのです




芸術全般にいえることですが、創作は、もちろん黒字がいちばんかもしれませんが、みんなが必ずしもプロを目指し、営利目的でなければいけないわけでもない世界です

しかし、なかには同人を商業と混同し、その態度こそなによりの誠意と考えるひともいます
残念ながら、そうした商業ノリのひとは、「好き」のアンテナがすっかり錆びついているのが見て取れます
彼らは、むしろすききらいに流されてはだめで、予算やレビューの評判だけを考えて、クリエイターを起用しなければいけないと、己を律しているのでしょう
想像以上の作品を歓迎できる資質もありません





以前ある小説表紙の案件を受けたとき、購入者の提示したラフにない蝶などの演出を盛り込んだら、すでに完成しているのに「やっぱりなくしてもらえますか? なにかのこだわりだったらすみません…」といやーなことをいわれたことがあります
料金以上のものを納品しようと無駄に頑張ったばかりに、いらない思い出ができてしまいました

また、そのひとは、ほかの絵師のレビューに「基本料金で人物2人と背景まで描いていただけるのは助かります」などと書くのを習慣にしているのが見て取れ、わたしは呆れ果てました
どうして同人の世界で、相手が安いことを褒めたりするのでしょうか。相手のパトロンになりたくないなら、無料で自ら表紙を担当したいと名乗り出る絵師が現れるまで、イラスト化を諦めればいい話です。そこをわざわざ自身の「無料で描かせるわけにいくか」というポリシーで、払おうと決めたはずです

それに、料金以外に褒められる点がない、という本心が文面から伝わってきて、そんなことしか書けないならどうしてこのひとたちに依頼したのだろう、と心底不可解な気持ちです



好き嫌いでクリエイターを起用しないことが、本当に頭のいい買い物なのでしょうか
気に入らない絵師に頼むことが真面目でしょうか