陰キャのたしなみ

自閉症は「ぼっち」となりやすいタイプです。ぼっちでいるくらいなら、周囲からアーティスト気質の「一匹狼」として認識されていたいものですね。

ぼっちと一匹狼との境界線とはなんでしょうか。暗が思うに、それは、なにかの拍子に陽キャの仲間に入れてもらったときの反応に表れるのではないでしょうか。

「ぼっち」は、ほんとうは独りでいたいわけではないです。なので仲間に入れてもらったとみるや、喜び勇んでマウント取りをしてしまいます。せっかく優しく話しかけてくれた者たちの、揚げ足ばかり取ってしまう傾向があるのです。

一方で「一匹狼」はそもそも陽キャを見下して逸れているのではありません。人気取りにも名誉にも興味がないので、話しかけられても別に興奮せず、親切ささえ見せます。







さらに、忘れないために、ここに一匹狼の特徴を書いてみます。

まずは、ゆっくりしゃべっているということです。
陰キャはつい、ひと言ひとことを発音するのをサボって、すごい勢いで話してしまいがちで、その勢いのまま、たとえば誰かが「この料理辛い」というと、すかさず「いや、そうでもないよ」と否定してしまう習慣がついてしまっているものです。しかし、周囲から一目置かれているひとは、そもそも口をついて揚げ足取りをしないような話し方を、はじめからしています。


つぎに、仕事で下働きに徹しているのも特徴です。
アーティストといえど、まずは話しかけてもらい作品の依頼をもらわなければ何うしようもない立場です。アーティストに憧れる者がいる一方で、「あいつひとりでサボってたはずなのに、なんでいまになって目立ってるの？」と不審がる者もいるので、彼らを納得させるためにも下働きに徹するのは有効です。

みんなが盛り上がっているときにも、一匹狼は下準備や後片付けをやっているので、仕事への本気さが傳わります。


いじられ役をいじらない、と云うことも重要です。
グループには、いつも暴言を吐かれているかわいそうな者がいるものです。しかし一匹狼がそのひとにゴミを渡したりせず、じぶんでゴミ箱に捨てに立つだけで、周囲から感嘆の声が上がります。人間関係のヒエラルキーに加わらないということは、アーティストとしての最低限の資格のようなものなのかもしれません。

つまり、仲間に入れてもらったとき、陽キャたちに感謝を忘れないでいられるかどうかで、「一匹狼」になれるかどうかが決まる、ということもできそうです。

「こいつはかまってほしいだけの弱い陰キャではなく、自身の作品や研究にまっすぐな人間なんだ」ぼっちであることは、一匹狼を目指したとき、そう理解してもらうチャンスがあるということかもしれません