ロマンティック

イラストを描いているとき、「ロマンチック」とはどういう意味なのだろうとおもって、Wikipediaの「ロマン主義」の項目を見てみました
それによると、ギリシャやローマを手本にした古典主義、そしてキリスト教倫理から、芸術を解放する運動であるということがわかります




なかでも恋愛の讚美が特徴的です

古典の高貴な同性愛や、キリスト教の聖家族像のような母性愛とはちがい、ただの恋愛を、人生でもっとも価値のあるものと見なす発想です。これを「恋愛至上主義」ともいうそうです



これを取り入れた近代日本の恋愛至上主義者は、お見合い結婚を非常にきらっています。つまり日本では、恋愛至上主義とは、家や親を大切にする儒教から解放された発想だ、という性質をもっているともとれそうですね

これが「ロマンチック」の正体なのでしょう








さて、それでは神話や聖書、そして儒教に反抗するからといって、ロマン主義が庶民的なものものかというと、そうではないみたいです
宗教にあまり関係のない冒険アクションやラブストーリーが、古典主義のモチーフと同様、もしくはそれ以上に高尚とされたものがロマン主義だからです


現代日本人の恋愛至上主義者には、マメに連絡をしない恋人を罪人のように責め立てたり、不倫を刑事犯よりも卑劣な犯罪だとかんがえているひとがすくなからずいますが、彼らが振りかざしているのは、目に見えない「恋愛」という法律です
宗教とおなじくらいロマン主義が高尚とされているからこそ、そうしたリンチがあるのですから、「庶民的」どころか「権威的」なのだとおもいます




恋愛が高尚な権威となっているこの社会で、「ロマンチック」を相対化することは困難です。わたしがこれまでこのことばの意味をしらなかったのは、あまりに当たり前に溶け込んでいたからこそなのかもしれません