リアルではあまりないけれど、YouTubeなどでよく目にする表現があります
「辞める」という変換です
いまやっていることをやめる、という意味なら平仮名で大丈夫なのですが、仕事を辞めるという字になっています
例えばスライムを作っているときに「辞めよう」というと、スライム作りをやめようというより YouTuber を引退するかのようになってしまいます
最初は変換ミスかと思いましたがどのチャンネルでも使われているので、意図的にそうしているのだとわかってきました
10年ほどまえには「止める」を「やめる」と読ませる表現が流行していました。いまでも漫画ではよくあります。もし平仮名が格好悪いと感じるときは、この「止める」を使ったほうが辞書的にも間違いではないでしょう
また、これはごくたまにですが、動画を観ることを「視る」と変換しているチャンネルがあります
これも誤変換ではなく、視聴の「視」に合わせたくて、意図的にそうしていますよね。丁寧さが伝わるのですが、テレビや動画は「観る」でオーケーです。「視る」だと仕事で被災地の現状や外国の先進技術などを調査している感覚になります
これは恋愛のことですが、異性に恋することを「堕ちる」と変換するひとが多くなってきました
恋に「落ちる」で大丈夫なのですが、「辞める」と同様に難しい字を使おうとして、「堕落」の「堕」になってしまっています
確かなことではないですが、元々、悪堕ち、闇堕ちなどマイナスイメージのあるサブカルの言葉だったのではないでしょうか。非オタの人々まで用いて、性への肯定感を下げる必要はありません。恋は堕落ではないのです
ちなみに似た例で、昔優れていたひとの力が落ちることに、「堕ちる」を当てているのをよく見かけます。悪の手中に堕ちたのではなく鈍っただけなので「落ちる」で大丈夫です
また、これは YouTube だけでなく漫画にもとても多いのですが、「~みたく」「~よりか」「~のが」「片す」など、北関東の方言がありますよね
もはや、「みたいに」という表現のほうが減ってきて「みたく」に駆逐され尽くしているのかもしれません。NHKでまで耳にするので、最初は新鮮でしたが、だいぶ押しつけがましく感じられてきました
「辞める」「視る」「堕ちる」といった漢字間違いの根底にあるのは、やはり変換で遊ぶのが面白くなってしまっている、という現代の傾向でしょう
ツイッターに、平仮名にしたほうがいい表現をまとめている校閲さんがいたのでURLを貼っておきます。これらを使っていると、確かに「漢字がわからないんだろう」と言われることもあります。でも、そんなひとはとても勉強が嫌いでしょう。ラノベばかりで純文学を読んだことがなく、漢検の級もないと思うのです。平仮名にすることを校閲では「開く」というそうですが、それも知らないでしょう。やはり他人を頭が悪いというひとが頭が悪いと思います
わたしはいつもYouTubeや漫画には感謝しているので、細かいことを言いたいわけではありません。〈新方言〉だと思って既に受け入れの準備ができてさえいます
でもよその方言です。方言なら使わなくていいという、きょうの記事はそれだけのお話でした