聖母













もう2年前の事件ですが、渡辺直美さんが自身の身長を185cmだとボケたところ、ファンがウィキペディアまで書き換えてしまったことがありました
相手は芸人さんなのに、世間は成功者を善人だと決めつけ、嘘を言わないものだと考えてしまう傾向があるのかもしれません
カジサックさんも「カジサックの部屋」で、直美さんがいいとも少女隊のとき、朝起きられなかったというので、失望していました。ほかのことで苦労していてほしかったようですが、わかるひとにとっては、直美さんはテレビに現れた当初からニューヨークに移住したいまでも、ずっとルーズで面倒くさがりのキャラクターだったはずです。カジサックさんにはすこし、女性への理想の押し付けが目立ちます



差別されたことがない(と自分では思っている)ひとにとっては、差別とは、なにかひどい扱いをされることだと思うかもしれません。しかし、わたしは祭り上げられているときのほうが、より強く差別を感じます

わたしは新しい職場では、最初は名前に「様」をつけてちやほやされますが、ADHDだと勘づかれた途端、挨拶してもらえなくなり、物をわたしに手渡さないで机に置かれるようになります
また、婚活を名乗る男たちに黒髪だからと絡まれ、わたしが性犯罪の被害に遭ったことがあると知られれば、「そんなひとだったんですか」と罵られます



どちらかというと、黒髪の乙女像が崩壊してドン引きされた後のほうが、わたしは差別が緩和されたと感じるほどです。実際には差別は変わらず続いているのですが、みんながよそよそしくなったとき、荷が降りたようで、そちらのほうがまだマシなのです。わたしに纏わりつくレイシストが、垢のように取れてしまったからです



わたしがADHDであることはだれのせいでもなく、また、わたしの仕事が全然できないのは素直に申し訳ないですが、黒髪の乙女に勝手な夢を見てひとりでドン引きするひとびとは、まるでカトリックだと信じていた婚約者がユダヤだったというような反応で、信じることも裏切られることも、自業自得のレイシストだなというのが率直な本音です